ドイツ連邦議会で第1党の中道左派・社会民主党(SPD)と環境政党・緑の党、リベラル派の自由民主党(FDP)の3党は7日、連立協定に署名した。9月のドイツ連邦議会(下院、基本定数598)選挙から2カ月以上を経て、ようやく「信号機」連合による連立政権樹立の準備が整った。SPDのショルツ氏率いる新政権は、8日に議会での首相信任投票と宣誓式を経て正式に発足する。
3党はこの日、ベルリンで開かれた調印式で連立協定に署名。ショルツ氏は、「新政権が過去数週間と同様に協力すれば、前途は有望」とコメント。「まずは新型コロナウイルス危機という困難な課題を制する必要がある」と強調した。
ザ・ローカルによると、外相就任が決まっている緑の党のベーアボック共同党首は、連立協定は「社会の現実に即したもの」と説明。新設の環境・エネルギー相に就任予定の同党のハベック共同党首は、気候中立と経済的繁栄の両立が新政権の課題となると話した。
要職の財務相ポストを確保したFDPのリントナー党首は「今が行動の時」と強調。「われわれは幻想を抱いていない。直面する課題は大きい」と述べた。
3党の連立は、各党の政党カラーの組み合わせから「信号機」連合と呼ばれる。連立協議には2カ月以上を要したものの、交渉は大方の予想を上回るペースで妥結。177ページに及ぶ連立協定は、気候変動対策を主軸とする。
8日にショルツ氏が新首相に就任すれば、SPDからの首相輩出は16年ぶりとなる。これにより、議会選挙以降も暫定首相にとどまっていたメルケル氏は正式に退任し、16年にわたるメルケル時代の幕引きとなる。
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