ドイツのメルケル首相は2日、新型コロナウイルスのワクチン未接種者に対する規制を大幅に強化すると発表した。食料品や薬局を除くほぼ全ての施設への立ち入りを禁止する。ウイルスの感染拡大を抑えるにはワクチン接種が不可欠であるとし、ワクチン接種の義務化についても言及した。
メルケル首相はこの日、新首相就任が見込まれている中道左派・社会民主党(SPD)のショルツ財務相とともに国内16州の州首相との協議に臨み、ワクチン未接種者への規制強化で合意した。
今回の決定に伴い、レストランやバー、美術館、映画館、スポーツジムに加え、必要不可欠な店舗以外の利用、イベントへの参加は、ドイツ全土でワクチン接種者か感染から最近回復した人のみに制限される。ドイツで「2G」と呼ばれるルールで、「G」はドイツ語でワクチン接種者(Geimpfte)と回復者(Genesene)を示す頭文字。同様の制限はこれまで入院者数の多い地域で既に導入されていた。
併せて、ワクチン接種の有無にかかわらず、学校でのマスク着用を再び義務化。感染状況の深刻な地域ではナイトクラブを閉鎖する。
メルケル首相は「状況は極めて深刻で、現行の規制からさらに踏み込んだ規制を導入したいと思う」と話し、急激に増える感染者数を抑えるためには国が一丸となり行動することが必要だと訴えた。ショルツ財務相も「ブースターを含むワクチン接種が、この危機を乗り越える方法だ」と国民に呼び掛けた。
ワクチン接種の義務化については、年末までに議会で関連法案の最初の採決が行われ、法案が通過すれば、来年2月中に施行される見通しだという。
ドイツの過去24時間の新型コロナ新規感染者数は2日に7万3,209人を記録。死者数は388人と、昨冬のピーク時よりははるかに少ないものの、新たな変異株「オミクロン株」の感染者が国内で新たに確認されたこともあり、懸念が広がっている。同国のワクチン接種完了者の割合は約69%で、欧州連合(EU)諸国でも低い水準にある。
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