ドイツの環境政党・緑の党とリベラル派の自由民主党(FDP)は9月29日、先のドイツ連邦議会(下院、基本定数598)選挙で第1党となった社会民主党(SPD)との連立政権参加に向け、政策をすり合わせるための協議に着手した。両党の政策には多くの違いがあるものの、初の会合は順調に進み、共通点も見い出せたもようだ。両党の指導者らが明らかにした。
緑の党のベーアボックおよびハベック両共同党首と、FDPのリントナー党首およびウィッシング幹事長は今回、4人が写った同じ写真とキャプションをそれぞれインスタグラムに投稿。「新政権樹立に向け、共通点や相違点をつなぐ架け橋を模索し、いくつかそうしたものを見出しつつある」としている。
ロイター通信によると、両党は10月1日、参加人数を増やして再協議を行う。また、FDPは2日に与党・キリスト教民主同盟(CDU)および姉妹政党であるキリスト教社会同盟(CSU)と、3日にSPDとそれぞれ会合を持つ見通し。
SPDと緑の党は、増税や公共投資の拡大、富の再分配など政策面で共通点が多い。ベーアボック共同党首はSPDと組むことを望んでいるが、FDPはかねてCDU・CSUとの連立政権への参加を望んでいたとされる。FDPのリントナー党首は選挙前のインタビューで、連立参加を打診されれば、減税や新規借入額の減額、歳出規制をコロナ禍前の水準に戻すことなどを条件として提示すると語っていた。
連邦議会選では、SPDがCDU・CSUの保守連合を僅差で下したものの、議席数は半数に程遠く、緑の党とFDPに3党連立を呼び掛けている。政党カラーの組み合わせから「信号機」連合と呼ばれるこれら3党の連立が実現しなければ、CDU・CSUが緑の党およびFDPと組む「ジャマイカ連合」政権の樹立に向けた協議が行われる可能性もある。
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