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労働党党首、政権奪取へ党刷新 時代築いた中道寄りに回帰=党大会

英国の最大野党・労働党のスターマー党首は29日、党大会最終日の演説で、次回選挙での政権奪取に真剣に取り組む姿勢を打ち出した。コービン前党首の下で与党・保守党に大敗を喫した前回選挙を示唆し、同じ過ちは繰り返さないとの決意を表明。党内左派と決別して中道寄りにかじを切ることにより、幅広い有権者にアピールする方針を示している。

党大会で政権奪取の決意を示した(労働党議員のツイッターより引用)

党大会で政権奪取の決意を示した(労働党議員のツイッターより引用)

同氏は1時間半近くに及ぶ演説で、「次回選挙では、労働党が信頼できる新たな政府となる」と宣言。コービン前党首の名指しは避けたものの、「政府としての本気の計画を示さないマニフェストは二度と掲げない」と強調し、インフラ・公益企業などの国有化や借り入れの大幅拡大を打ち出した同氏のマニフェストを暗に批判した。

一方で、より中道寄りのブレア、ブラウン両元首相の下で13年続いた労働党政権時代には、貧困層の削減や教員の増員、病院の待ち時間短縮などが実現したと強調。格差解消や生活水準の向上を訴える保守党は、これを模範にするべきと指摘した。

演説中にはコービン派の党員らからやじが飛ぶ一幕もあった。スターマー氏はこれに先立つ公共放送BBCとのインタビューで、党内の団結を目指すことよりも、総選挙で勝つことを優先すると明言していた。

同党首は、コロナ禍からの復興やブレグジット後の混乱、気候変動問題などを抱える今の英国は、リーダーシップを求めているとし、自らにはその資質があるとアピール。また、政策面では、1,900万戸の住宅のエネルギー効率改善を支援する案や、メンタルヘルス治療の待ち時間を1カ月以内に短縮する方針、メンタルヘルス専門家を8,500人増員する案などを新たに公表した。


関連国・地域: 英国
関連業種: 政治

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