ドイツの連邦議会選挙の投開票が26日行われ、連立与党で中道左派の社会民主党(SPD)が僅差で第1党に躍り出る見通しとなった。中道右派の与党・キリスト教民主同盟(CDU)と姉妹政党であるキリスト教社会同盟(CSU)の保守連合は、第2党に転落する見込み。野党の90年連合・緑の党は前回選挙時から得票率を大きく伸ばして第3党に浮上し、SPDとの連立政権樹立の可能性が現実味を帯びている。
公共放送ARDと世論調査機関インフラテスト・ディマップによる午後10時10分時点の得票率予想によると、SPDの得票率は25.9%と前回2017年の選挙時から5.4ポイント伸ばし、獲得議席数は205議席となる見通し。一方、CDU・CSUは24.3%で前回から8.7ポイント落ち込み、195議席に大きく減少するとみられる。
緑の党は14.5%と5.6ポイント増え、115議席に躍進すると予想されている。リベラル派の自由民主党(FDP)は11.5%で91議席、右派政党「ドイツのための選択肢(AfD)」は10.5%で83議席、左派党は5%で40議席が予想されている。
SPDの首相候補であるショルツ財務相は「国民は変革を求めて投票した」とし、次期政権を率いる意欲を示した。一方、CDUの首相候補であるラシェット党首は、今回は望むような結果にはならなかったと敗北を認めている。
得票率予想に基づく獲得議席数から、次期政権は3党による連立政権となることが確実視されている。最も可能性のある組み合わせは、SPDが主導し、緑の党、FDPと手を組む「信号機」連合。これは、政党カラーの赤、緑、黄色から来ているが、FDPと他2党では政策の方向性が異なるため、協議は難航するとみられる。
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