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英、入国時の規制を大幅緩和 ワクチン接種完了者を優遇

英政府は17日、新型コロナウイルス対策として導入しているイングランドの入国規制を大幅改定すると発表した。10月4日からは、渡航先を感染リスクに応じて3色に分類する現行の「信号システム」を廃止して「赤」リスト国のみ指定。ワクチン接種完了者に対して感染検査規制を緩和するなど、ワクチン接種の促進と観光業界の回復につなげる考えだ。

現行制度では、渡航先のリスクを「赤」「アンバー(黄)」「緑」の3段階に色分けしているが、どの渡航先からであってもイングランドに戻る前に検査を受けて陰性証明書を取得しなければならない。新たな案ではこれを簡素化し、安全な渡航先と現行の「赤」に相当する感染リスクの高い渡航先の2段階だけとする。ワクチン接種を終えた人を対象に、入国前に滞在先で受ける必要があったPCR検査を廃止し、さらに10月後半からは入国後2日目の検査は、従来のPCR検査から安価なラテラルフロー検査で代替できる。

一方で、他の国でワクチン接種を完了していても、英政府が指定する必要事項が証明書に記載されていない場合は認められない可能性がある。また、ワクチン未接種者や1回目の接種を終えたのみの人などには、従来の規制が適用され、入国前の検査と入国後2日目、8日目の検査が必須となり、自主隔離義務も発生する。

「赤」リスト指定国・地域からは10月4日以降も、ワクチン接種状況に関係なく入国が制限され、一連の検査義務に加えて政府指定宿泊施設での自己負担での隔離義務が生じる。

旅行会社や航空会社はかねて、複雑な制度が国外旅行の需要回復を遅らせ観光産業に打撃を与えていると政府に訴えていた。特に入国前の検査については、検査の費用や手間に加えて、陽性反応が出た場合に足止めされ追加費用が出ることが旅行者の懸念材料になっていると指摘。航空会社と旅行会社の主要団体は先に首相宛てに書簡を送り、ワクチン接種を完了した人に対しては全ての検査を廃止するよう求めていた。

英政府は併せて、現在の「赤」リストの国・地域を見直し、9月22日からトルコ、パキスタン、モルディブ、エジプト、スリランカ、オマーン、バングラデシュ、ケニアの8カ国を除外すると発表した。


関連国・地域: 英国
関連業種: 観光マクロ・統計・その他経済社会・事件

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