英国政府は14日、イングランドにおける秋・冬季の新型コロナウイルス対策案を公表した。50歳以上などを対象に、9月20日以降にワクチン追加接種を開始するなど、ワクチン展開を対策の柱に据えている。ただ、国民医療制度(NHS)に過度の負担が生じれば、再びマスク着用の法的義務付けや、在宅勤務の要請に踏み切る可能性もあるとしている。
追加接種の対象となるのは、50歳以上の人や、16歳以上で基礎疾患のある人、医療従事者および介護施設の職員など。2回目の接種完了からは6カ月の間隔を置く必要がある。対象者にはNHSから通知が来る。
追加接種には、1、2回目に接種したワクチンの種類に関係なく原則として、米国の製薬大手ファイザーとドイツのバイオ医薬品会社ビオンテックが共同開発したワクチン1回分または米国のバイオ医薬品会社モデルナのワクチン2分の1回分が用いられる。
ワクチン展開ではこのほか、未接種者への接種奨励や、12~15歳を対象とした展開を進める方針。その他の感染対策としては、感染者の追跡や自主隔離、店舗や企業に対するNHSのワクチン接種証明「COVIDパス」の活用奨励などを挙げている。加えて、医療従事者や介護施設の入居者および職員を対象に、インフルエンザ・ワクチンの接種を併せて展開することも検討している。
一方、NHSの過度の負担を軽減する必要が生じた場合には、一部の場所でマスク着用を法的に義務付けることもあるとしている。そのような場合、ナイトクラブや混雑が見込まれる500人以上の屋内イベントおよび4,000人以上の屋外イベント、参加者1万人以上のすべてのイベントで、ワクチン接種証明の提示を義務付けることも検討している。
なお、スコットランドでは20日から、ワクチンの追加接種が開始される。また、ウェールズと北アイルランドでも、近く開始されることが決まっている。
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