パリのイダルゴ市長(62)は12日、来年4月に行われるフランス大統領選挙への出馬を表明した。政策面では環境問題や教育、住宅などの社会問題に焦点を当てる方針で、左派の支持を取りまとめられるかが選挙戦の鍵となる。
イダルゴ氏は低炭素経済と、教育・住宅・医療への支出を拡大する方針で、左派・社会党からの出馬を目指す。同氏は2014年、パリ初の女性市長に就任。セーヌ河岸に遊歩道を設置したほか、自転車専用レーンを設け、車両の排ガス規制を厳格化した実績がある。また、一連のテロや18~19年の「黄色いベスト」運動、19年のノートルダム大聖堂の火災を乗り越えた有能な管理者としての経験を強調している。ただし、パリ以外での知名度は低いとされる。
大統領選には、英国の欧州連合(EU)離脱でEU側の首席交渉官を務めたミシェル・バルニエ氏が出馬する意向を既に表明。中道右派・共和党からの立候補を目指しており、移民の制限を公約として掲げている。
極右政党・国民戦線のマリーヌ・ルペン党首も出馬を表明しており、国内のイスラム過激派の取り締まりを強化する方針を示している。また、新型コロナウイルスのワクチン接種を完了したことなどを証明する「ヘルスパス」の提示義務に異を唱えている。
現職のマクロン氏は正式な出馬表明を行っていないが、2期目続投を狙うとの見方が優勢だ。
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