英国のジョンソン首相率いる与党・保守党の支持率が33%となり、2019年12月の総選挙以降で最低を記録した。今回の調査は介護・医療拡充に向けた増税案の発表後に実施されたもので、最大野党・労働党の35%も下回っている。インターネット調査会社ユーガブ(YouGov)が10日発表した最新調査で分かった。
調査はタイムズの委託により、9月8~9日に国内の成人1,657人を対象に行われた。保守党が1週間前から5ポイント低下した半面、労働党は1ポイント上昇。自由民主党は10%で3位につけ、これに緑の党(9%)が続く。
ジョンソン首相は7日、イングランドの介護制度と国民医療制度(NHS)の拡充に向け、22年4月から国民保険料を1.25%引き上げると発表。19年の総選挙前には、所得税や国民保険料を引き上げないと約束していたため、野党だけでなく与党内からも公約違反と反発の声が上がっている。
ユーガブの政治調査部門トップのアンソニー・ウェルズ氏は「1回の調査結果から多くの結論に飛びつくのは注意すべきだ」と前置きした上で、「政府は実際にNHSを支援しているとの評価を大して得られないまま、党支持者の間でも税率が低いとの評判を犠牲にしたようだ」と指摘した。
なお、英下院(定数650)は8日夜、この増税案を319対248の賛成多数で可決した。保守党から5人の造反議員が出たほか、一部議員は投票を棄権。労働党は反対票を投じた。
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