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欧州各国のアフガン退避佳境 空港で2件の爆発、死傷者多数

アフガニスタンに駐留する米軍の撤退期限である8月31日が迫る中、欧州各国の自国民救出が佳境を迎えている。欧州側は、国外への避難を求める人々が殺到している首都カブールの国際空港に、イスラム武装勢力が近く攻撃する可能性があるとし、相次いで早期の避難終了を決めている。ロイター通信などが26日伝えた。

英国のジョンソン首相は26日、「英国への避難対象であるほぼ全ての人がアフガニスタンから避難した。これまでに1万5,000人がカブールから脱出した」と説明し、残された時間の間にできる限りのことを実行すると話した。

フランスは、27日に避難活動を停止すると表明。デンマークは、最終便が既にカブールの空港を離陸したと明らかにした。ポーランドも既に救出を終了し、軍も撤退させている。

このほか、オランダ政府は26日に避難を終了する方針。これまでに救出した人数は約1,200人に上る。ベルギーのデクロー首相は26日の記者会見で、カブールの空港に到着できた全てのベルギー国民の避難が完了したと説明。隣国パキスタンの首都イスラマバードからの救出活動は継続する方針を示した。ハンガリーも全ての国民を退避させたとしている。

ドイツ国防省の報道官は、米軍撤退より4日早い26日に避難を停止すると表明。「カブール空港の安全状況はさらに悪化しており、テロ攻撃の脅威がより具体的になってきている」と説明した。ドイツ軍はこれまでに3,600人超のアフガニスタン人を含む5,100人を現地から避難させているが、どの程度のドイツ国民がアフガニスタンに取り残されているかは不明という。

英国のヒーピー国防閣外相は26日、公共放送BBCのインタビューに応じ、カブールの空港でイスラム武装勢力による「差し迫った攻撃に関する非常に信ぴょう性の高い報告がある」と警戒感を示した。英当局からは、空港から離れて追加の指示を待つことを勧めるガイダンスが出された。

■空港で2件の爆発

こうした中、カブールの空港近辺で26日夜、自爆テロとみられる2件の爆発が起きた。現場には退避を求める人らが大勢おり、BBC電子版によると、午後5時時点(英国時間)で、少なくとも13人が死亡、60人の負傷が確認されているという。

爆発が起きた現場は、空港の南東部に位置するアビーゲート付近と、空港近くのバロンホテル近辺。バロンホテルは、西欧諸国が避難民を集め、出国手続きなどを行う場所として利用していた。現場では銃撃もあったと報じられている。


関連国・地域: EU
関連業種: 政治

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