英政府統計局(ONS)は12日、2021年第2四半期(4~6月)の国内総生産(GDP、速報値)が前期比で4.8%拡大したと発表した。新型コロナウイルス対策で導入されていた行動規制が緩和され、第1四半期の1.6%減からプラスに転じた。
産業別に見ると、英経済の原動力であるサービス業は5.7%拡大。前期の2.1%減からプラスに回復した。うち流通・ホテル・レストランが大きく21.1%伸びたほか、自動車販売を含む運輸・倉庫・通信は1.8%、ビジネスサービス・金融は0.4%それぞれ上向いた。
鉱工業は0.5%増加し、前期の0.5%減からプラスに復帰。うち電気・ガス・蒸気・空調供給は2.5%伸び、製造業は1.8%拡大した。水道・下水・廃棄物処理は1.3%のプラス。一方、採鉱・採石は16.6%落ち込んだ。
建設業は3.3%増え、農林水産業は2.2%上向いた。
GDPは前年同期比では22.2%増加。前期の6.1%減からプラスに回復した。
ONSは今回の結果について、サービス業と製造業、建設業のいずれも生産が拡大したと指摘。卸売り・小売りやホスピタリティーのほか、学校再開による教育の伸びがGDPを引き上げたと説明した。第2四半期のGDPは、新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)前の19年第4四半期の水準を4.4%下回っている。
英中銀イングランド銀行は先に、GDPは第3四半期には3%拡大し、第4四半期には新型コロナウイルス危機前の水準に回復するとの見方を提示。通年では7.25%との見通しを維持した。
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