欧州委員会は3日、欧州連合(EU)の復興基金「復興・強靭(きょうじん)化ファシリティー」からの加盟各国に対する第1回目の支援金の払い出しに着手した。この日に支援金を受け取ったのは、ポルトガルとベルギー、ルクセンブルクの3カ国で、いずれも支援総額の13%を受け取った。昨年7月に新型コロナウイルス危機を受けた総額7,500億ユーロの復興計画で合意がまとまってから1年超を経て、ようやく加盟各国が支援を手にした格好となる。
ポルトガルは、補助と融資を合わせて22億ユーロを受け取った。同国は補助金139億ユーロと融資27億ユーロの合わせて総額166億ユーロの支援を受ける予定。一方、ベルギーとルクセンブルクは、この日にそれぞれ7億7,000万ユーロ、1,210万ユーロを受け取った。両国は、それぞれ総額59億ユーロ、9,340万ユーロをすべて補助金として受け取ることになっている。
第1回目の支援金は、残りの支援の受け入れ態勢づくりに必要な改革や投資に振り向けられる。
EUは昨年7月、総額7,500億ユーロの復興計画「ネクスト・ジェネレーションEU」で合意。その目玉となるのが総額6,725億ユーロの「復興・強靭化ファシリティー」で、新型コロナウイルスによる打撃が大きい加盟国を対象に最大3,125億ユーロの補助金を提供し、残りの3,600億ユーロを加盟各国に低利で融資することになっている。
EU加盟各国はこれに向け、補助金や融資の必要額と使途を示した復興計画を欧州委に提出し、承認を受ける必要がある。フランス通信(AFP)によると、加盟27カ国の大半はすでにこの手続きを済ませているが、ブルガリアとオランダはまだ復興計画を提出しておらず、2022年半ばが新たな期限となっている。また、ポーランドとハンガリーの復興計画は、まだ欧州委からの承認が下りていない。
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