欧州連合(EU)の統計局ユーロスタットは7月30日、2021年第2四半期(4~6月)のユーロ圏19カ国の実質域内総生産(GDP、1次速報値)が前期比2%拡大したと発表した。第1四半期の0.3%減からプラスに転じた。主要国では、イタリアやスペインが2%台の伸びを示す好調ぶりだった。
ユーロ圏のGDPは、前年同期比では13.7%拡大。EU27カ国全体では前期比で1.9%、年率では13.2%それぞれ増えた。
この日までに速報値を発表した主要国のうち、フランスのGDPは前期比0.9%増と、第1四半期の横ばいから上向いた。投資を示す総固定資本形成は1.1%増加。家計最終消費支出は0.9%、政府最終消費支出は0.6%それぞれ伸びた。輸出は1.5%増え、輸入は1.9%のプラスだった。
ドイツのGDPは前期比で1.5%増と、前期のマイナス1.8%からプラスに復帰。前年同期比では9.2%増えた。
イタリアの成長率は前期比2.7%。年率では17.3%だった。
スペインの成長率は前期比で2.8%と、第1四半期のマイナス0.4%からプラスに回復。家計最終消費支出は6.6%増えたが、総固定資本形成は1.5%減った。輸入は2.9%、輸出は0.4%それぞれ伸びた。GDPは年率で19.8%拡大している。
国際通貨基金(IMF)は7月に発表した世界経済見通しで、ユーロ圏19カ国の2021年のGDPが前年比4.6%拡大するとの見方を示した。新型コロナウイルスワクチンの展開により経済の正常化が進むとの期待を背景に、前回4月時点の予測から0.2ポイント上方修正。来年の成長率見通しは4.3%と、前回から大きく0.5ポイント引き上げている。
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