英国の保健・社会福祉省は22日、食品加工・流通業者など16業種のワクチン接種完了者を対象に、新型コロナウイルス感染者との濃厚接触が確認された際の自主隔離を免除すると発表した。英国では国民医療制度(NHS)が運用する感染者との接触追跡アプリを導入しているが、過去数週間でこのアプリから通知を受けて自主隔離に入る人が急増。企業活動に支障が出ているとして、政府に対応を求める声が各業界から上がっていた。
自主隔離が免除される業種は、エネルギー、民生用原子力、デジタルインフラ、食品加工・流通、廃棄物、水道、獣医学、化学、運輸、医薬品、医療機器、臨床消耗品、救急サービス、国境管理、防衛、地方自治体の16業種。アプリから自主隔離の通知を受けた場合、感染検査を毎日実施することで、隔離の代わりとする。検査で陽性となったり症状がある場合は、即座に隔離が求められる。
免除措置は、8月16日にワクチン接種完了者の自主隔離措置の免除が始まるまでの暫定的なもの。
NHSの接触追跡プログラム「テスト&トレース」は、新型コロナウイルス感染症の症状がある全ての人を検査するとともに、感染者と濃厚接触した人を特定し、10日間の自主隔離を要請する。
保健・社会福祉省の最新のデータによると、7月14日までの1週間で62万人弱が隔離通知を受けた。しかし、通知の発出件数の伸びは新規感染者の伸びを大幅に下回っており、多くの人が自主隔離を回避するためにアプリを削除した可能性が指摘されている。クワーテング民間企業・エネルギー・産業戦略相はこうした現状について「非常に残念」とコメント。「自主隔離は社会全体を守るため」だとして、アプリの活用を呼び掛けている。
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