英国の新型コロナウイルス対策を統括するハンコック保健・社会福祉相が26日、辞任した。自らが定めた安全な対人距離の指針を破り、側近の女性と抱き合う姿が報じられたことがきっかけ。後任には、ジャビド前財務相が任命された。
ジョンソン首相は当初、同相を擁護していたが、与党・保守党内外で批判が強まったことを受け、ハンコック氏は辞表を提出。辞表では「自分の私生活問題により、コロナ危機脱出の取り組みから焦点が逸れることを避けたい」とした上で、「指針に違反したことを謝罪する」と述べた。
スカイニュースによると、同氏を巡っては、大学時代から親交のあるこの女性を昨年に保健・社会福祉省の非常勤役員に起用した経緯の妥当性なども疑問視されている。女性は公費から年1万5,000ポンドの給与を受け取っているほか、女性の親族が取締役を務めるヘルスケア企業は国民医療制度(NHS)から複数の注文を獲得している。
ハンコック氏とこの女性の関係は、大衆紙サンが25日に暴露。保健・社会福祉省のオフィスで親密に抱き合う写真や映像が紙面とウェブサイトに掲載されていた。ブルームバーグによると、政府は監視カメラ(CCTV)からと思われる映像が同紙の手に渡ったことを警備面から問題視し、内部調査を行う方針を示している。
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