英国で新型コロナウイルスの感染が再拡大している。保健・社会福祉省によると、16日の新規感染者数は9,055人となり、2月25日以降で最多を記録した。前日比では約20%増加している。背景には、インドで最初に確認された変異株「デルタ株」の拡大のほか、とりわけイングランドで、ワクチン未接種の若年層を中心に感染が急拡大していることなどが挙げられる。
過去7日間の人口10万人当たりの新規感染者数は11日時点で72.8人。規制が緩和される前日の5月16日時点では21.6人だった。過去7日間の新規感染者数は平均7,888人で、感染者数の累計は458万9,814人となっている。
入院患者数は14日時点で1,177人となり、こちらも増加傾向にある。ただ、陽性反応から28日以内の死者数は、16日までの1週間平均で9人と、大きな増加は見られていない。
■イングランドで感染拡大が顕著
インペリアル・カレッジ・ロンドンは今回、イングランド全土で、5月20日~6月7日にかけて10万8,911人を対象に調査を実施。その結果、陽性率は4月15日~5月3日の前回調査時と比べて50%拡大したことが明らかとなった。
調査対象者のうち、陽性者は135人。そのうちの多くは5~12歳、18歳~24歳で、新型コロナウイルスのワクチン未接種の若年層が中心となっていたことも分かった。
調査を行った研究者は「デルタ株が全土で優勢になっている現状と合致している」と説明。半面、若年層のワクチン接種が進むにつれて、感染拡大は鈍化するだろうと指摘している。
ジョンソン首相は先に、21日に予定されていた新型コロナウイルス対策のロックダウン(都市封鎖)のイングランドでの全面解除を4週間延期すると発表した。政府は4週間で1,000万人に2回目の接種を実施し、変異株流行を食い止めたい考え。
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