英国政府統計局(ONS)は16日、5月の消費者物価指数(CPI、2015年=100)が110.8ポイントとなり、前年同月比2.1%上昇したと発表した。伸びは4月から0.6ポイント加速。経済再開に伴う燃料や衣料品の価格上昇が影響し、2019年7月以降で最高に達した。英中銀イングランド銀行の目標値2%を上回ったことから、金融政策の引き締め時期を巡る議論が活発化しそうだ。
運輸は6.3%上昇し、最大の押し上げ要因となった。娯楽・文化は2%、住宅・水道・電気・ガス・その他燃料は1.8%それぞれ伸びている。半面、食品・非アルコール飲料は1.3%値下がりした。
価格変動の激しいエネルギー・食品・アルコール飲料・たばこを除いたコアインフレ率は2%と、前月の1.3%から加速している。
住宅所有者の住宅関連コストを含む物価指標「CPIH」の上昇率は2.1%。カウンシルタックス(住民税)などを含み、年金や賃金交渉で参考にされる小売物価指数(RPI)も3.3%伸びている。ONSがRPIに代わる新指標として試験的に導入している「RPIX」は3.4%上昇した。
CPIは前月比では0.6%上昇。衣料品・履物は2.3%伸びた。娯楽・文化と外食・ホテルは共に1.2%値上がりしている。一方、食品・非アルコール飲料は0.3%低下した。
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