英国の議会が11日開会し、エリザベス女王が政府の作成した施政方針演説の原稿を読み上げた。演説では、今年1月の欧州連合(EU)からの完全離脱後と新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)後の英国の政策推進に向けて、経済や教育・研究、健康・医療など30法案の概要を紹介した。
女王は演説の中で、「政府はパンデミックから英国を回復させ、以前よりも強く、健康で豊かな国にする」と宣言し、「インフラに投資し、これを改善して英国全体の経済的な結びつきを強化する」と述べた。ジョンソン首相が唱える「機会の均等」や「より良い復興」が、演説で繰り返された。
経済政策に関連した法案では、企業への支援を目的とする「補助金管理法案」や国内に8カ所の経済特区「フリーポート」を新設する法案のほか、先端研究機関の設立や経済的に機会均等を提供するための生涯教育や技能開発の促進などを掲げた。また30万戸の住宅建設に向けた開発プランニング制度の改革、肥満やメンタルヘルスの対策、国境管理を強化する移民制度の改革、インターネットの安全性向上に対応した法案も示した。
このほかキャメロン元首相が連立政権の安定化に向け導入した「議会任期固定法」を廃止し、首相が議会の承認を得なくても議会を解散できる権限を復活させる法案も盛り込んでいる。最大野党・労働党は、ジョンソン首相が早ければ2023年にも総選挙を実施すると見ている。
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