英政府は26日、このほど成立した「2021年グローバル汚職防止制裁規則」に基づき、ロシア国籍者14人や南アフリカのインド系財閥グプタ家の3人を含む計22人に制裁を科すと発表した。これらの人物は、英国への入国が禁止されるほか、英国内の資産が凍結される。英政府が国外での汚職事件を巡り個人に制裁を科すのは、今回が初めて。
制裁の対象となるのは、◇獄中死したロシアの弁護士セルゲイ・マグニツキー氏が告発していた総額2億3,000万ドルの公金横領に関与したロシア国籍者14人◇南アで重大な腐敗に関与したグプタ家の実業家3兄弟とこれらの腐敗に関与した南アフリカ国籍の実業家1人◇南スーダンで国家資産を着服したスーダン国籍の実業家1人◇ホンジュラスとニカラグア、グアテマラで重大な腐敗に関与した個人3人――の計22人。
「21年グローバル汚職防止制裁規則」は、昨年に成立した「20年グローバル人権制裁規則」と同じく、18年制裁・資金洗浄防止法の関連法。いずれも、英国の欧州連合(EU)離脱に伴い、EUの制裁枠組みを脱したことを受け成立した。
ラーブ外相は「汚職は法の支配や公共機関への信頼を著しくむしばむとともに、貧困国の開発遅延や資産流出を招き、国民を貧困にとどめる」と指摘。今後さらに制裁対象を拡大する方針を示した。
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