英国の政府統計局(ONS)は23日、2020年4月から21年3月までの公共部門純借入額(PSNB、金融介入の影響除く)が3,031億4,400万ポンドとなったと発表した。新型コロナウイルスの流行を受け、第2次世界大戦後で最大の赤字を記録した。3月単月では280億500万ポンドで、赤字幅は1年前の70億1,500万ポンドから4倍に拡大している。
PSNBは国、地方、公営企業の財政赤字額を示す。3月の国の歳入は前年同月比0.3%減の650億8,900万ポンド。うち所得税(キャピタルゲイン税含む)が9%増加し、法人税は17.4%増えた。歳出は846億6,600万ポンドと26.5%拡大。うち社会保障費は8.5%増えている。
3月末時点の公的債務残高は2兆1,417億ポンドと、1年前から3,440億ポンド増加。対国内総生産(GDP)比では97.7%と13.3ポイント上昇した。
財政方針の基軸となる経済予測を行う予算責任局(OBR)はかねて、2020年度のPSNBが3,274億ポンドになるとの見方を示しており、財政赤字は過去最悪となったものの、従来予測を243億ポンドほど下回った形だ。
※本コメント機能はFacebook Ireland Limitedによって提供されており、この機能によって生じた損害に対して株式会社NNAは一切の責任を負いません。