英政府は20日、温室効果ガス排出量の新たな削減目標を発表した。政府の独立諮問機関である気候変動委員会(CCC)の勧告に従い、2035年までに1990年比で78%削減を目指す。新たな目標は、6月末までに法制化される見通しだ。
政府はかねて、2050年までに炭素排出量を実質ゼロ化する目標を掲げており、これに向け、30年までに炭素排出量を1990年比で68%、2050年までに同80%削減する取り組みを進めている。こうした目標は世界の主要国で最も野心的な内容とされているが、今回これをさらに進め、大幅削減の早期達成を目指す格好となる。
BBC電子版によると、新たな目標達成に向けては、電気自動車(EV)の普及や、低炭素暖房の促進、再生可能エネルギーの活用、食用肉や乳製品の消費抑制などが必要になるとみられている。
政府は併せて、33~37年を対象とする第6次炭素予算に、国際航空サービスと国際海事サービスにおける炭素排出量のうち、英国の割り当て分の目標値を組み入れると発表。これにより、英国の脱炭素化に向けた取り組みに一貫性を持たせることができるとしている。
炭素予算は、08年の気候変動法で導入されたもの。第1次と第2次の炭素予算は大きな成果を挙げ、19年までに産業界の炭素排出量を1990年比で44%削減することに成功した。22年に終了する第3次炭素予算でも、削減目標を上回る見通しだ。[環境ニュース]
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