欧州委員会のフォンデアライエン委員長と欧州連合(EU)のミシェル大統領が先にトルコのエルドアン大統領と会談した際、フォンデアライエン氏に椅子が用意されていなかったことが波紋を呼んでいる。トルコ側の両氏に対する扱いが同等でなかったとして批判を集め、EU・トルコ間の関係性に影を落としている。
フォンデアライエン氏とミシェル氏は6日、トルコの首都アンカラを訪問し、エルドアン氏と会談。この際、2脚しか用意されてなかった肘掛け椅子にミシェル氏とエルドアン氏が座ったため、フォンデアライエン氏が立ち尽くす場面があった。フォンデアライエン氏はその後、脇にあったソファに着席したが、椅子に座った2人とはやや離れての会談となった。
欧州議会のソフィー・イントベルト議員はこれについて、トルコ側による「平等な扱い」に疑問を投げ掛けるものだとし、フォンデアライエン氏がその場で唯一の女性だったことは偶然ではないと指摘。また、イラチェ・ガルシアペレス議員は、トルコが女性に対する暴力の撲滅に向けたイスタンブール条約から脱退したことと合わせ「恥ずべきこと」と批判した。
これに対しトルコは、会談時のプロトコルはEU側の要望に応えたもので、席次もEU側の希望に沿っているとし、「不当な非難」だと主張。一方、ミシェル氏は、トルコによるプロトコルの「厳格な解釈」が悲惨な状況を招いてしまったと説明している。また、エルドアン氏と共に座ったことに集まっている批判に関しても、写真では「無関心」かのように見えるが実際にはそうでなかったと弁明した。
フォンデアライエン氏は、欧州委に適切なプロトコルによる扱いを求め、今後は同様の問題が起こらないよう依頼したという。
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