ドイツ連邦環境省(UBA)は、2020年の国内の温室効果ガス排出量が1990年比で40.8%減少したとする報告書を公表した。これは過去30年間で最大の削減幅で、同年の政府目標も達成している。新型コロナウイルス対策で導入された封鎖措置により、経済活動が制限されたことなどが寄与した。
UBAによると、同国における2020年の温室効果ガス総排出量は約7億3,900万トンだった。前年比で7,000万トン、およそ8.7%減少したこととなる。
部門別に見ると、エネルギー部門は前年から14.5%減少。ドイツ政府による石炭火力発電所の早期閉鎖計画が影響した。輸送部門はロックダウン(都市封鎖)による交通量の減少に伴い、11.4%縮小。工業部門は4.6%、廃棄物部門は3.8%それぞれマイナスとなった。農業部門は2.2%減っている。一方、建築部門は2.8%減らしたものの、パンデミック(世界的流行)により家で時間を過ごす人が増えたことで、政府の削減目標達成には至らなかった。
独政府はかねて、2020年の温室効果ガス排出量を1990年比で40%削減する目標を掲げ、新たな気候政策を導入していた。
シュルツェ環境相は「パンデミックが排出量の削減に寄与したことは明らかだ」と指摘。全体の削減量のおよそ3割は封鎖措置が原因とみられていることから「経済が回復するにつれ、排出量は再び増加する」と警告した。[環境ニュース]
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