米国で20日、バイデン新大統領が就任したことを受け、欧州各国の首脳が祝辞を送った。欧州連合(EU)のミシェル大統領は「米・EU関係の再活性化」を訴え、欧州委員会のフォンデアライエン委員長も「新たな出発」への意欲を表明。独仏英の首脳も一様にバイデン政権と協力する姿勢を示した。バイデン氏はこの日にさっそく、トランプ政権下で米国が離脱した地球温暖化対策の国際的枠組みである「パリ協定」に復帰する文書に署名しており、欧州首脳らはこれを歓迎している。
ミシェル大統領は、「信念と常識を取り戻し、EUと米国の関係を再活性化させるべき時だ」とコメント。フォンデアライエン氏は「米国の新たな夜明けをわれわれは待ち望んでいた」と述べ、「欧州は新たな出発への準備ができている」と話した。
メルケル独首相は、「米独の友好と協力における新たな章の始まりを楽しみにしている」とコメント。マクロン仏大統領は、米国とフランスは「共に歩むことにより、より力強く課題に立ち向かえる」としている。ジョンソン英首相は「英米間には共通の課題がある」と述べ、気候変動対策などで新政権と協力する意欲を示した。
EU政策専門サイトのユーラクティブによると、ロシア政府のペスコフ報道官は「米国との良好な関係を目指す」とコメント。一方、ロシア外務省は、軍縮協議での「より建設的な」姿勢に期待するとしている。両国は近く、2010年に締結した新戦略兵器削減条約(新START)の更新に向けた協議を行う予定。
バイデン大統領はこの日、就任式を終えた後、直ちにトランプ前大統領の政策を覆す一連の文書や大統領令に署名。米国の「パリ協定」への復帰も宣言した。欧州委員会で「欧州グリーンディール」政策を統括するティメルマンス執行副委員長とボレル外務・安全保障政策上級代表は、声明でこれを歓迎するとともに、「再び米国と共に気候変動危機への世界的な取り組みを主導することを楽しみにしている」と述べた。
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