ドイツ連邦統計庁は14日、2020年の実質国内総生産(GDP、速報値)が前年比5%減少したと発表した。新型コロナウイルスの影響を受け、通年では金融危機以来となるマイナス成長となったが、下げ幅は09年の5.7%減より小幅にとどまった。
支出項目別では、家計最終消費支出が6%縮小し、19年の1.6%増からマイナスに転じた。半面、政府最終消費支出は3.4%と0.7ポイント加速している。投資を示す総固定資本形成はマイナス3.5%となり、前年の2.5%増からマイナスに沈んだ。輸出の落ち込みが9.9%と輸入の8.6%減を上回り、輸出から輸入を差し引いた純輸出はGDPを1.1ポイント押し下げた。
GDPは、季節要因・稼働日数調整後では5.3%縮小した。
連邦統計庁は、新型コロナにより建設業を除き全ての産業・サービス業が大打撃を受けたとコメント。家計最終消費支出は前例のないほど冷え込み、過去14年続いた雇用の増加傾向にも歯止めが掛かったと指摘した。
なお、財政収支は9年ぶりに赤字に転落し、速報値では昨年末時点で1,582億ユーロに上るという。これは東西ドイツ統一以降で2番目に多く、対GDP比4.8%の赤字となる。
20年第4四半期(10~12月)のGDP速報値は29日に公表される予定。
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