英国で新型コロナウイルスの感染拡大が続いていることを受け、政府がイングランドで実施するロックダウン(都市封鎖)をさらに強化する可能性が浮上している。ハンコック保健・社会福祉相は10日、公共放送BBCのインタビューで、「現行規制のより厳格な順守が重要」とする一方、規制強化の可能性も否定しなかった。
ハンコック氏は「(国民が)ルールをねじ曲げるたびに、人命が失われる恐れがある」と指摘。「社会の一員として最も重要なのは家を出ないこと」と訴えた。一段の規制強化の可能性については、「推測はしたくない」とのみ述べている。
政府は1月5日、イングランドで3度目となるロックダウンを導入。ただ、昨年3月の1回目のロックダウンと比べると、通勤や子供の登校が認められる職種が拡大されており、公共交通機関の利用率も当時ほど落ち込んでいない。また、国民の間には「封鎖疲れ」による緊張感の不足もみられる。
一方で、英国で発見された新型コロナウイルスの変異種は、従来型のウイルスより感染力が高いとされる。このため、政府の科学顧問からは「現行のロックダウンは甘すぎる」「昨年3月より、むしろ厳しいロックダウンが必要」との指摘が相次いでいる。
ただ、フィナンシャル・タイムズによると、政府内部では現行規制の執行を徹底することが先決との考え方が主流を占める。背景には、一部の閣僚や保守党議員が規制強化に強く反対していることがあるもようだ。
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