欧州の人々がマスクを着けて外出する光景を、2020年の始まりに誰が想像できただろう。今やそれが日常の一部となり、「ロックダウン」「ソーシャルディスタンス」などの聞き慣れなかった言葉もすっかり定着した。企業は在宅勤務やビデオ会議といった新たな仕事の形への適応を余儀なくされた。新型コロナウイルスの大流行は、文字通り人々の生活を一変させた。
英国と欧州連合(EU)の貿易交渉は土壇場で妥結に至ったものの、その過程は昨年までのブレグジット交渉を彷彿とさせる混迷ぶりで、ドイツやフランスなど主要国の政治動向も今年は影をひそめた。東に目を向けると、ロシアやベラルーシなどで政治体制への不満に対する市民デモが巻き起こり、強権国家での地殻変動を感じさせたが、新型コロナはそうしたうねりも飲み込むかのように連日猛威をふるい続けた。
人命や雇用など失ったものは大きく、深刻な打撃を被った経済の回復への道筋もはっきり見通せないまま終わった1年だった。来年は、この鬱屈とした空気を振り払うような明るいニュースが待っていると願うばかりだ。
【第1位】欧州がパンデミックの震源地に
【第2位】新型コロナが欧州経済を直撃
【第3位】英EU、土壇場で通商交渉妥結
【第4位】強権国家ベラルーシで異例の反体制デモ
【第5位】欧州で5G通信網からの華為排除広がる
【第6位】ナゴルノ・カラバフ紛争が激化
【第7位】不正会計問題のワイヤーカードが経営破綻
【第8位】ロシア反政府勢力指導者の毒殺未遂事件
【第9位】英国、日本と離脱後初の貿易協定締結
【第10位】黒人差別反対デモが欧州にも波及
【番外編】英首相の新型コロナ感染に冷や汗
【番外編】ウクライナ航空機墜落で176人死亡
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