ジョンソン英首相は19日、国防予算を向こう4年で165億ポンド拡大し、冷戦終結後で最大の防衛投資を行うと発表した。防衛環境の変化を背景に、人工知能(AI)やサイバーセキュリティー、宇宙などの分野で最新技術に投資し、軍備の次世代化を図る。
同首相は併せて、AI専門の新機関および国家サイバー軍を創設すると発表した。また、新たに宇宙司令部を設置し、2022年に初のロケットを打ち上げる計画。軍事技術の研究開発(R&D)予算は最低15億ポンド拡大し、計58億ポンドとする。また、「将来の戦闘航空システム(FCAS)」への投資も増やすとしている。
国防省の今年度の予算は年415億ポンドで、向こう4年は毎年、インフレ率に0.5ポイントを加えた比率で増額されることになっている。165億ポンドの上乗せにより、国防予算は向こう4年で約40%拡大することになる。
ジョンソン首相は「国際情勢は冷戦以降でもっとも危険な状況にあり、競争も激化している」と指摘。「退却の時期を脱し、軍備の一新と国際的影響力の拡大、国家の団結とレベルアップ、新技術の開発、国民とその生活様式の防衛に取り組むチャンスとなる」と話している。
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