欧州委員会のフォンデアライエン委員長は10日、米大統領選で民主党のバイデン前副大統領が勝利を確実にしたことを念頭に、EUと米国は気候変動やデジタルエコノミーなどの分野で新たな協力関係を築く必要があるとの考えを示した。EUがイニシアチブを取り、米新政権との協力を進めるべきとしている。一方で、一連の課題や取り組みを現職のトランプ大統領が就任する前の状態に戻すわけではないと強調している。
フォンデアライエン委員長は、トランプ政権下で米国が離脱した地球温暖化対策の国際的枠組みである「パリ協定」への復帰を、バイデン氏が実現することをEUは待ち望んでいるとコメント。オンライン上のヘイトスピーチやプロパガンダ、公正な競争、データ保護などを巡り米国と協働することを呼び掛けた。また、インターネット企業など大手IT(情報技術)企業に対する「デジタルサービス税(DST)」の導入については、同委員長は世界的なコンセンサスを得たいとしている。
■英独仏首脳と電話会談
メルケル独首相はバイデン氏との電話会談で、「緊密で信頼のおける協力関係」を望んでいると述べた。同首相とバイデン氏は、世界がさまざまな課題に直面している現状では、米国と欧州の連携が非常に重要であるとの見解で一致した。
バイデン氏はマクロン仏大統領とも会談。マクロン大統領は、気候変動や医療、テロリズムとの闘いで米国と協力する用意があると述べた。
ジョンソン英首相は、両国のパートナーシップを強化することに前向きな姿勢を示し、バイデン氏とは気候変動対策から民主主義の推進、新型コロナウイルスのパンデミック(世界的流行)からの復興まで、優先課題を巡り力を合わせるとコメントした。
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