英国のスナク財務相は5日、新型コロナウイルス対策の影響で一時帰休となった従業員の賃金を補助する「コロナウイルス雇用維持制度」を来年3月末まで延長すると発表した。一時帰休中の賃金を月額2,500ポンドを上限に、政府が80%補助し続ける。同ウイルスの感染が再び急拡大し、この日からイングランド全域で2度目のロックダウン(都市封鎖)が導入されたことが背景にある。
政府は3月に同制度を導入。当初は3~5月の3カ月分の補助を予定していたが、これまで3度にわたり延長し、12月2日まで継続するとしていた。また、政府の賃金負担率も当初の80%から徐々に引き下げ、10月からは60%とする一方、雇用主に20%の負担を求めていた。
スナク財務相は今回、同制度をさらに延長すると同時に、政府の賃金負担率も再び80%に拡大。雇用主には賃金負担は求めず、国民保険料および年金の雇用主負担分のみの支払いを求める。
同相は併せて、個人事業主向けの所得支援制度についても、政府補助の比率を現行の55%から80%に再び引き上げると発表した。今年11月~来年1月分の3カ月分の所得が対象で、補助額は7,500ポンドが上限となる。
同相は「先行き不透明感の強さや、経済状況の悪化を考えれば、支援を延長し、国民や企業が冬季を乗り切れるようにサポートすることは正しい」と説明している。
なお、今回の措置はイングランドだけでなく、感染対策の制限措置の時期や内容が異なるスコットランドや北アイルランド、ウエールズも対象となる。また、「コロナウイルス雇用維持制度」の大幅延長に伴い、同制度に代わって導入する予定だった「雇用サポート制度」と、これを含む「冬季経済計画」は撤回された。
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