英国のスナク財務相は9日、新型コロナウイルス対策として営業停止を命じられる企業の支援策を発表した。雇用維持に向け従業員の給与の3分の2を肩代わりするほか、イングランドの企業には1カ月当たり最大3,000ポンドの補助金を支給する。政府は近く、感染が拡大しているイングランドの一部地域を対象に、飲食店の閉鎖など新たな制限措置を導入する見通しで、こうした措置による経済や雇用への打撃を緩和する狙いがある。
政府は、営業を禁止された国内企業を対象に、一時帰休中の従業員の給与を月額2,100ポンドを上限に67%補助する。雇用主には、国民保険や年金の負担のみを求める。先に公表した「雇用サポート制度」をさらに拡大する格好で、実施期間は11月1日から6カ月間。ただし、企業が補助を受けられるのは、全国的または地域的な制限措置の一環として法的に営業停止を義務付けられている期間中のみとなる。
イングランドの企業に対しては、現在実施している3週間当たり最大1,500ポンドの補助金を拡大し、事業規模によって月額1,300~3,000ポンドを支給する。また、スコットランドとウエールズ、北アイルランドの各自治政府が同様の措置を導入できるよう、交付金を拡大するとしている。
スナク財務相は先に、10月末で打ち切られる「コロナウイルス雇用維持制度」に代わる新たな「雇用サポート制度」を導入したばかり。同制度の主眼は、雇用主の負担を拡大するとともに、パートタイムで仕事に復帰した従業員の賃金を補助することだったが、感染状況の急速な悪化を背景に急きょ、営業停止対象の企業への支援も盛り込まざるを得なくなった格好だ。
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