ドイツ連邦統計庁は25日、2020年第2四半期(4~6月)の国内総生産(GDP、季節要因・稼働日数調整済みの改定値)成長率が前期比でマイナス9.7%だったと発表した。速報値から0.4ポイント上方修正されたものの、下げ幅は四半期ベースの統計を開始した1970年以降で最大。新型コロナウイルスのパンデミック(世界的流行)により、特に企業による投資と輸出が大きく落ち込んだ。
項目別に見ると、 家計最終消費支出は10.9%減と、前期の2.5%から落ち込みが加速。政府最終消費支出は1.5%増となり、0.9ポイント上昇した。投資を示す総固定資本形成はマイナス7.9%で、設備投資が大きく19.6%縮小し、建設投資も4.2%減っている。
輸出は20.3%減少し、第1四半期のマイナス3.3%から落ち込みが加速。輸入は前期の1.9%減から下落幅が拡大して16%減に沈んだ。輸出から輸入を差し引いた純輸出はGDPを2.8ポイント押し下げた。
中銀のドイツ連邦銀行は先に、新型コロナウイルスの影響で急激に悪化したドイツ経済は、第3四半期にかけて急速かつ広範に回復するとの見通しを明らかにした。ただ、ワクチンが開発されるまでは完全な回復は難しいとの見方も示している。同行はかねて、今年のドイツのGDPが7.1%縮小すると予測している。
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