英国のジョンソン首相は6月30日、総額50億ポンドの経済復興計画「ニューディール」を発表した。「ビルド、ビルド、ビルド(build, build, build)」をキャッチフレーズに掲げ、住宅建設やインフラ整備を軸に、コロナ禍からの経済立て直しを図る。
ジョンソン首相は「この機会を利用して」長年にわたり英国が抱えてきた経済的問題を解決すると宣言。15億ポンドを病院のメンテナンスや新設、救急対応能力の拡大に充て、国民医療制度(NHS)のサービス向上と新型コロナウイルスの感染リスク低減につなげる。
また、年内に1億ポンドを橋梁改修や高速道路の改善を含む道路網整備事業29件に振り向けるほか、10カ年の学校再建プログラムの第1弾として、2020/21年度に着手する最初の50件に10億ポンド超を割り当てる。事業の詳細は今秋に決定し、21年9月に着工する見通し。
そのほか、裁判所や刑務所の改築・整備、イングランドの地方自治体のインフラ整備・開発事業などにも資金を投入する方針を示した。
また、規制緩和でも建設スピードを後押しする考えで、商業不動産を住居に変更するのに関係当局の許可を得る必要がなくなる。自治体中心部の空き店舗を住居へと建て替えることを容易にすることなどを想定しており、建築申請提出が免除され、自治体の承認も不要となることから、建設期間の短縮が期待されている。
最大野党・労働党と英産業連盟(CBI)は一連の政策に対し、雇用の保証に十分焦点が当てられていないと非難している。
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