イングランドで15日から、必需品以外を扱う小売店や屋外施設の営業が解禁された。約3カ月ぶりの再開となり、一部店舗では開店前から社会的距離を保った上での長蛇の列ができた。また、この日からは、公共交通機関の利用に際し、マスク着用が義務付けられている。BBC電子版などが伝えた。
書店や電化製品、衣料品などを販売する店舗およそ数千店が店を開けたほか、野外シネマや動物園の屋外エリアなども営業を開始。教会などは個人の礼拝に限り、運営が認められる。再開に当たっては、2メートルの社会的距離の確保や手指消毒液の設置、清掃の徹底といった安全策を講じる必要がある。
イングランドではまた、封鎖措置の緩和に伴い公共交通機関の利用者が増えることから、地下鉄やバスでは、マスクやスカーフなどで口と鼻を覆うことが義務付けられた。ルールを守っていない場合は、乗車を拒否されるという。政府は一方で、屋内でのマスク着用については推奨するにとどめている。
財務省によると、英国の必需品以外の小売業界は、およそ130万人を雇用しており、同国経済を支える重要な産業の一つとなっている。新型コロナウイルスの封じ込め策の影響で、4月の国内総生産(GDP)は20.4%縮小し、過去最悪の落ち込みを記録した。
なお、パブやレストランの営業再開は早くても7月4日以降となる見通し。
■社会的距離を見直し
ジョンソン首相は14日、国内で講じている社会的距離ルールを緩和する方向で見直しを進めていると明らかにした。飲食店の営業再開を前に、現行の2メートルを短縮することで、採算を取れるようにするため。
世界保健機関(WHO)は最低1メートルを確保するよう推奨しており、フランスやデンマークといった一部の欧州諸国はこれを採用している。
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