英政府統計局(ONS)は12日、英国の4月の国内総生産(GDP)が前期比20.4%縮小したと発表した。マイナス幅は3月の5.8%から大きく拡大し、1997年の統計開始以来で最大を記録。新型コロナウイルスのパンデミック(世界的流行)を受けた封鎖措置により、全部門で需要や事業活動が落ち込んだことが響いた。
産業別に見ると、鉱工業は20.3%減少。下げ幅は68年に統計が始まってから最も大きい。サービス業は19%、建設業は40.1%それぞれ減り、いずれも過去最悪となっている。
3カ月ベースで見ると、2~4月のGDPは前の3カ月と比べて10.4%縮小した。
ONSは、4月は未曾有の落ち込み幅を記録し、前月から3倍超に拡大したと指摘。社会的距離の導入や封鎖措置により、消費者の需要は減退し、事業活動や工場の稼働が停止に追い込まれた上、サプライチェーンの混乱も引き起こされたと説明した。経済規模は、2月からおよそ25%縮小したとしている。
英経済は第1四半期(1~3月)に2%縮小。第2四半期もマイナス成長となると予想されており、英中銀イングランド銀行は、パンデミックにより数世紀で最大のリセッション(景気後退)に入るとの見方を示している。
同国は3月末に封鎖措置を導入。現在は段階的に解除を進めている。6月15日からはほぼ全ての小売店が再開するほか、動物園や庭園、野外シネマなどの営業も解禁される。だが、飲食店やその他の娯楽施設は引き続き閉鎖となる。
※本コメント機能はFacebook Ireland Limitedによって提供されており、この機能によって生じた損害に対して株式会社NNAは一切の責任を負いません。