中銀のドイツ連邦銀行は5日、2020年の国内総生産(GDP、稼働日数調整済み)が前年比7.1%縮小するとの見通しを示した。独政府や専門家予想のマイナス6~7%に足並みを揃えた格好。新型コロナウイルスのパンデミック(世界的流行)に伴う深刻なリセッション(景気後退)からの脱却は来年以降になるとみている。
ドイツのGDP(季節要因・稼働日数調整済み)は20年第1四半期(1~3月)に前期比2.2%縮小。19年第4四半期のマイナス0.1%から2四半期連続のマイナス成長となり、リセッション入りした。感染封じ込め策の緩和により、ドイツ経済は4月に底入れしたものの、回復は弱く、パンデミックの影響は長引くとの見通しをあらためて示した格好だ。
ただ、来年半ばまでに新型コロナウイルスに対する有効な治療方法が確立することを前提に、21年には3.2%のプラス成長に復帰すると予想。22年には3.8%へと成長が加速するとみる。連銀のワイトマン総裁は「財政出動は経済の安定化に大きく貢献する」と述べ、独政府が先に公表した総額1,300億ユーロの経済刺激策が適正であるとの見方を示した。
連銀は併せて、パンデミックで導入された時短勤務などにより、労働市場が一時的に大きく悪化すると指摘。ただ、労働市場や商品市場に対する深刻な打撃は長期化を免れるとみる。一方、物価の上昇は抑制されると予想。20年の消費者物価指数(CPI)上昇率は前年比0.8%の上昇にとどまるほか、21年は1.1%、22年は1.6%で推移するとの見通しを示している。
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