英政府は、新型コロナウイルス対策の封鎖措置の緩和に向けた就業方針説明書を10日に発表する見通しだ。可能な限り在宅勤務を継続することや、出社時の条件としてオフィス内でデスクやパソコンを共有する「ホットデスキング」の禁止や時間差勤務の導入などが盛り込まれるとみられる。BBC電子版などが4日伝えた。
方針説明書は、◇屋外作業◇非食品小売り(商店街)◇運輸・物流◇製造・加工◇屋内作業(オフィスなど)◇家庭訪問作業(配管工など)◇外食・レジャー――の7タイプの作業環境について、それぞれ社会的距離の取り方や防護用品の必要性など感染対策を示すものとなる見通し。ただ、再開の日付けについてはまだ確定していないという。
草案では、社員食堂の閉鎖やエレベーター内の人数制限、ペンなど筆記用具の共有や対面型のミーティングを避けることのほか、床に2メートルの安全距離を示すテープを貼ることが提案されている。小売店や銀行などの顧客対応では、レジや窓口にプラスチックのスクリーンを設置することが盛り込まれている。
安全距離の確保が困難な場合、マスクなどの防護具の使用も検討されるもよう。ただ英商工会議所(BCC)や労働組合からは、防護具を企業が用意するのか明確なガイドラインを示してほしいとする声や、そうなれば希少な物資を企業と国民医療制度(NHS)の間で奪い合う形になるとの懸念が噴出している。
また全ての企業が感染リスク評価を実施し、従業員の安全確保策を提出することが義務付けられるもよう。ただこれについても、零細企業にとっては新たなコストが増えることになり、営業再開を躊躇(ちゅうちょ)することにつながるとの指摘もある。[労務]
※本コメント機能はFacebook Ireland Limitedによって提供されており、この機能によって生じた損害に対して株式会社NNAは一切の責任を負いません。