フランスのフィリップ首相は28日、5月11日からの封鎖措置の段階的緩和に向けた詳細計画を公表した。自宅から100キロメートル以内なら外出理由書を携帯せずに出かけられるようになるほか、最大10人までの集会も可能となる。これに伴い、政府は感染検査の体制を整え、感染者の隔離や感染経路の追跡を徹底する。ただ、地域によっては厳しい制限措置が継続される可能性もあるとしている。
5月11日からバーやレストラン、映画館、海水浴場などを除く全ての店舗の営業が許される。企業には、少なくとも向こう3週間は在宅勤務の継続を要請する。保育所と学校は再開されるが、1クラス当たりの人数は保育所が10人、学校は15人までとする。宗教的儀式は6月2日まで、サッカーやラグビーなどの試合は9月まで、引き続き禁止される。
政府は5月11日以降、1週間当たり70万件を目標に検査を実施する。新型コロナウイルスへの感染が疑われる症状のある人や、感染者と接触した人は全員、検査の対象となる。感染が確認されれば14日間の自主隔離を義務付けられる。
政府は、全ての企業に従業員へのマスク配布を求め、必要なら小規模企業のマスク調達を支援する。地下鉄やトラムなどでのマスク着用も義務付ける。これに向け、マスクの供給体制を整え、郵便局のウェブサイトでマスクを販売するほか、健康弱者向けに1週間当たり500万枚のマスクを提供する。
ただ、感染拡大状況には地域差があるため、政府は封鎖解除の最終的な判断は各自治体に託す方針。また、こうした封鎖措置の解除は、1日当たりの新規感染者数が3,000人以内にとどまることと、5月11日まで国民が外出制限措置を厳守することが条件としている。
外出規制は3月17日に最低15日間の予定で導入されたが、その後に繰り返し延長され、現在の期限は5月11日となっていた。フランスの新型コロナウイルス感染症(COVID19)による死者は27日時点で2万3,293人と、前日から437人増えている。
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