英下院(定数650)が21日、イースター休暇を終えて再開された。新型コロナウイルス対策として議員間に一定の距離をとるため、約50人の議員のみが登院。22日以降はビデオ会議システムも併用して審議を進めることを可能とする動議が可決された。
下院では今後、インターネット・ビデオ会議システム「ズーム(Zoom)」を通じて最大120人の議員が自宅から審議に参加。ホイル下院議長や一部の閣僚、議員など最大50人のみが実際に議事堂で顔を合わせる。下院には複数の大型スクリーンを設置するほか、議席のベンチには2メートルごとに座る位置の印が施される。当面、採決は行えないが、下院のデジタルサービス部門が現在、遠隔投票システムの開発に取り組んでいる。
下院は3月25日、新型コロナウイルスの感染拡大を受け、予定より6日早くイースター休暇入りしていた。ホイル下院議長はビデオ会議システムの利用について、「危機に際しては新しい仕組みを見いだす必要がある」とした上で、「下院議員が首相質疑や緊急質疑、声明を自宅や事務所からビデオリンクを通じて安全に行えるのは、700年の歴史の中で画期的なことだ」と話している。
「ズーム」は、米ズーム・ビデオ・コミュニケーションズが手掛ける。新型コロナウイルス対策の封鎖措置を受け利用者が急増しているが、セキュリティー面を懸念する声も上がっている。
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