Ifo経済研究所は8日、新型コロナウイルス対策の封鎖措置により、ドイツの国内総生産(GDP)が第2四半期(4~6月)に前期比9.8%縮小するとの見通しを明らかにした。これが現実になれば、金融危機時の2009年第1四半期の落ち込みを2倍超上回り、1970年の統計開始以降で最大の下落となる。
Ifoは、同ウイルスのパンデミック(世界的流行)は、国内経済の深刻なリセッション(景気後退)を招くと警告。第1四半期のGDPは前期から1.9%縮小したとみている。封鎖措置の影響により、失業率はピーク時で5.9%に悪化し、今年の財政赤字は1,590億ユーロと、記録的水準に達すると予想。公的債務の対GDP比は、新型コロナウイルス流行前の60%から、今年は70%に膨らむとみている。
国内経済は、封鎖措置が解除されれば徐々に回復に向かい、第3四半期には8.5%増、第4四半期には3.1%増と力強い回復を示すとみている。2020年通年では前年比4.2%縮小するものの、2021年には5.8%増への回復を見込む。
Ifoのティモ・ボルマーショイザー教授は「ドイツは景気低迷に耐える経済力があり、中期的には危機がなかった場合の水準を取り戻せる」との見方を示している。
ただIfoは、パンデミックが予想以上に長引いたり、経済活動の再開が順調に進まない恐れもあるほか、感染の第2波が訪れる可能性もあるなど、下降リスクも大きいと警告。同教授は「こうした場合にはリセッションがさらに深刻化し、回復にもより時間がかかるほか、政府が企業の破綻を食い止めることがより難しくなるだろう」と話している。
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