英国のジョンソン首相(55)は27日、自身のツイッターで、新型コロナウイルスに感染したと明らかにした。現時点で症状は軽く、官邸で自主隔離しながら首相業務を担うという。感染は世界の首脳で初めてとみられる。
ジョンソン氏によると、過去24時間で熱や咳といった症状が出始め、官邸で検査を受けたところ陽性と診断された。直後に共に対応に当たってきたハンコック保健相(41)の感染も発覚。こちらも特段の悪化は見られず、自宅から公務を行うという。いずれも23日以降、下院に登院しており、感染経路も特定されていないことから政界への感染拡大が懸念されている。
また、連日ハンコック氏と並んで会見していたウィッティー主席医務官(53)も症状を訴え、自主隔離している。
ジョンソン首相は動画で、「技術の進歩のおかげで引き続き新型コロナウイルスと闘うために英国を率いることができる」と強調。自宅にとどまって働く人々に謝辞を述べ、「これがウイルスに勝つための道」とした。国民医療制度(NHS)の職員にも賛辞を送った。
ジョンソン首相は23日、定例会見で外出禁止を発表。以来、日々の会見では関係閣僚や当局者と距離を取って並び、動画で参加する記者の質問に答えてきた。26日夜にはスナク財務相(39)と官邸前に離れて並び、NHS職員を称えるために拍手を送る様子がカメラに収められている。
首相広報官は先に、ジョンソン首相が職務を継続できない場合、ラーブ外相(46)が職務代理者となるとの見解を示している。しかし、現時点ではその段階には至っていない。
首脳の新型コロナウイルス感染を巡っては、ドイツのメルケル首相(65)が20日に肺炎球菌の予防接種を受けた後、担当医の感染が発覚。22日から自主隔離し、公務を続けている。2度の検査で陰性と診断されており、30日以降に3度目の検査を受ける予定という。
また先にはスペインのサンチェス首相やカナダのトルドー首相の妻の感染も発覚。トランプ米大統領は側近の感染が確認された後に診断を受けたが、陰性だった。
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