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欧州各国が出入国を厳格化 欧州委は旅行禁止措置を検討

新型コロナウイルスの感染拡大を受け、欧州各国が国境封鎖や出入国の制限といった対策を講じている。ドイツ政府は16日、近隣5カ国を対象に出入国の制限を開始。ポーランドやチェコなども国境封鎖に出ており、欧州委員会が欧州連合(EU)域内への不要不急の旅行禁止措置を検討する事態に発展している。

ドイツの国境制限はこの日午前8時(現地時間)に発動。これにより、フランス、オーストリア、ルクセンブルク、スイス、デンマークとの国境に警備員が配置される。物流や通勤は引き続き可能で、ドイツ国民や在住資格保持者は入国できるが、特に重要な理由がない場合は国境移動を禁じられる。

ドイツのゼーホーファー内相は、感染からの防護で最も重要なのは感染連鎖への介入だとし「イベントや公共の場での接触のみならず旅行移動も制限する必要がある」と強調した。隣国のデンマークはこれに先立ち、ドイツとの国境通過地点をクルスオー(Krusa)など3カ所に限定すると発表。国境制限の期間は16日から10日間とし、検査はドイツ側が行うとしていた。

ポーランドも15日から国境警備を開始。ワルシャワ・ボイスによると、在留資格もしくは労働許可を持つ人を除き外国人の入国を禁止した。物流は維持される一方、ポーランド人も14日間の自主隔離を行う必要がある。通行制限は10日間としているが、20日間や30日間に延長される可能性もあるという。これに伴い、ポーランド航空は14日間におよぶ国際便の全面運休措置を取っている。

チェコでも16日から、チェコ人の出国と外国人の入国が原則禁止となる。チェコ通信によると、プラハ空港に到着した外国人は国外行きの別の飛行機に乗せられるという。また、現時点で国外にいるチェコ人約40万人については、運輸省が通信事業者を介してテキストメッセージを送信し、チェコへの帰国手段を伝えるもようだ。スロベニアもイタリア国境で通過者の健康診断を行っているほか、16日から全ての公共交通機関を停止し、17日からは航空便の運航も全面停止する方針。ロシア政府は新たに、ベラルーシとの国境を封鎖している。

■欧州委がガイドライン公表

欧州委員会は16日、EU加盟国に対し国境管理のガイドラインを公表した。入国者の健康チェックを容認する一方、国境検査時に列などで不特定多数が集まらないように注意すべきとしたほか、国民や在住者の入国と帰国に向けた移動を妨げぬよう要請。ウイルス感染が疑われる人には適切な医療支援を求めた。同時に、必要物資の輸送やサービスの提供が滞らないようにする上、トラック運転手など輸送サービス従事者の安全な移動を保障するよう求めている。

またフォンデアライエン委員長はこの日、EU域内への不要不急の旅行を禁止することを提案した。期間は30日間で、必要に応じて延長される可能性もある。詳細は17日にまとめられ、欧州理事会の承認を経て正式に導入される見通し。

ロイター通信によると、EU域内の長期在住者やEU市民の家族、外交官などは対象外となるもよう。一方で、この措置はアイルランドを除くEU加盟国とシェンゲン協定に加盟している非EU4カ国の計30カ国に適用されるとみられる。

■イタリアで死者2千人超に

欧州最大のクラスター(集団感染)が発生しているイタリアの市民保護局によると、16日午後5時(現地時間)時点で国内の感染者は2万7,980人、死者は2,158人に達した。死者は24時間で一気に347人増えた。イタリアでは、全国で人の移動が制限され、生活必需品を扱う店以外が2週間閉鎖するなど厳格な感染拡大策を講じているものの、感染者・死者数は拡大の一途をたどっている。

スペイン保健省によると、同国の感染者数は16日時点で9,191人、死者は309人に膨れ上がり、世界で4番目となった。このほか、英保健当局は同国の感染者が同日午前9時時点で1,543人に増加したと発表。欧州疾病予防管理センター(ECDC)によると、同日午前8時時点でフランスは5,423人、ドイツは4,838人に増えている。


関連国・地域: ドイツEUデンマークポーランドチェコ
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