ジョンソン首相は14日、スコットランド自治政府のスタージョン首相宛ての書簡を公開し、自治政府が要求するスコットランドの独立の是非を問う新たな住民投票の実施を正式に拒否した。これに対してスタージョン氏は、1月中に対応と次の手段を明らかにすると表明している。BBC電子版などが伝えた。
ジョンソン首相は書簡の中で、2014年に行われた住民投票では自治政府も「1世代に一度の投票」と約束していたとして、英政府は「スコットランドの人々の民主的な決定と自治政府の約束を引き続き支持する」と表明。また新たな住民投票は、「スコットランドの過去10年にわたる政治的な停滞を長引かせ、スコットランドの学校や病院、雇用への対策を置き去りにする」と述べている。
スコットランド民族党(SNP)を率いるスタージョン氏は、昨年12月の総選挙でSNPが躍進したことを受け、新たな住民投票を要求する責務が生じたと主張。総選挙から1週間後にはジョンソン首相に書簡を送り、独立の是非を問う住民投票実施に向けた権限をスコットランドに委譲するよう求めていた。
スタージョン氏は英政府の正式な拒否について、「予想できたこと」としながらも、「スコットランドには選択する権利がある」と主張。保守党政権は、選択する権利を与えればスコットランドの人々が独立を選ぶことを恐れていると述べている。ただ同氏は、スペインのカタルーニャ自治州のような非公式な住民投票は実施しないことを明示している。
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