英領北アイルランド議会が11日、約3年ぶりに招集され、親英強硬派の民主統一党(DUP)と親アイルランド派のシン・フェイン党など主要5党から成る自治政府が復活した。首相にはDUPのフォスター党首、副首相にはシン・フェイン党のオニール副党首が指名され、2017年から続いていた政治的空白に終止符が打たれた。
北アイルランドでは、1998年に紛争の終結と和平実現に向けて結ばれたベルファスト合意に基づき、自治政府の閣僚ポストを親英派と親アイルランド派の主要政党が分け合うことになっている。首相は北アイルランド議会の第1党から、副首相は第2党から選ばれるが、両ポストは同格と見なされる。
今回、自治政府の司法相には北アイルランド同盟党のロング党首が就任。このほか、保守穏健派のアルスター統一党(UUP)と社会民主労働党(SDLP)からも閣僚が輩出されている。また、北アイルランド議会の議長はシン・フェイン党から、3人の副議長はDUPとUUP、SDLPから選ばれた。
北アイルランド自治政府は2017年1月、DUPとシン・フェイン党の不和から政権が崩壊。同年3月の北アイルランド議会選挙後に行われた組閣協議も決裂し、政権不在が続いていた。しかし、英政府が1月13日までに主要各党が合意に至らなければ地方選を実施する方針を打ち出したことを受け、昨年12月にようやく主要5党が自治政府の発足に向けた協議を開始。英・アイルランド政府が示した協定案をDUPとシン・フェイン党が10日に受け入れたことを受け、北アイルランド議会が招集された。
自治政府の発足を受け、英国のジョンソン首相とアイルランドのバラッカー首相は13日、北アイルランドのベルファストで自治政府のフォスター首相およびオニール副首相と会談。両国は協定案の中で、自治政府の再開を条件に北アイルランドへの資金援助を約束していたが、金額などの詳細は明らかにされていない。
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