英領北アイルランドの主要5政党は16日、自治政府の発足に向けた協議を開始した。英政府のジュリアン・スミス北アイルランド相が、来年1月13日までに合意に至らなかった場合に地方選挙を実施すると表明したためで、先の総選挙で議席を減らした民主統一党(DUP)とシン・フェイン党にとって、地方選挙は避けたい展開だ。BBC電子版などが伝えた。
北アイルランドでは、1998年に紛争の終結と和平実現に向けて結ばれたベルファスト合意に基づき、自治政府の閣僚ポストを親英派と親アイルランド派の主要政党が分け合うことになっている。しかし2017年1月に、親英強硬派のDUPと親アイルランド派のシン・フェイン党の不和から政権が崩壊。同年3月の北アイルランド議会選挙後に行われた組閣協議も決裂し、自治政府の不在状態が続いている。
今回協議に参加しているのはDUPとシン・フェイン党のほか、保守穏健派のアルスター統一党(UUP)、北アイルランド同盟党、社会民主労働党(SDLP)の5党。長年にわたり争点となっている北アイルランドにおけるアイルランド語の公用語化、ベルファスト合意に基づく党派間の紛争の解決、北アイルランド議会における法案否決権を巡り合意の形成を目指す。
18日には、スミス北アイルランド相とコブニー愛副首相兼外相を交えた話し合いが行われる予定。
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