ドイツの連立与党に参加する中道左派の社会民主党(SPD)は11月30日、党首選の決選投票を行い、連立維持に懐疑的なノルベルト・ワルターボルヤンス氏とザスキア・エスケン氏のペアが得票率53.06%で勝利した。これにより、メルケル首相が所属する中道右派キリスト教民主・社会同盟(CDU・CSU)との連立維持が危ぶまれている。
決選投票には党員の54%に当たる23万215人が参加。連立維持の是非が争点の一つとなっていた。連立の維持を主張していたショルツ財務相とクララ・ゲイウィッツ氏は、10月末に行われた第1回投票では首位に立ったものの、今回は得票率45.33%にとどまった。
ワルターボルヤンス氏のペアは今後、SPDは連立の見直しに踏み込み、総選挙を実施する可能性も出てくる。これにより、メルケル首相が2021年まで任期を全うできるかが不透明になっている。
SPDは党勢が低迷し、2017年9月の総選挙に続いて今年5月の欧州議会選挙でも大敗して得票率が15.6%にとどまったため、ナーレス党首が辞任していた。世論調査機関フォルサの最新調査でも支持率は14%程度まで落ち込み、緑の党(22%)を下回っており、党内では左派を中心に連立解消を求める圧力が高まっている。
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