英国で26日、12月12日の総選挙に向けた有権者登録が最終日を迎えた。英政府によると、締め切り前日の25日は36万6,441人が登録し、総選挙実施決定後で最多を記録。過去1週間での累計は100万人を超えている上、若年層を中心に登録の動きが活発化しており、注目度の高さがうかがえる。
25日の登録者数のうち、35歳未満は計26万4,306人と全体の7割超を占めた。スカイニュースによる街頭インタビューでは、投票により自らの意思を示す重要性を強調する人がいた一方、どの党にも魅力を感じず、票の投じ先を迷っているとの声もあった。
有名人による有権者登録の呼び掛けも相次いでおり、この日はロンドン出身の人気ラッパーでジョンソン首相を批判する曲を持つストームジーが自身のインスタグラムとツイッターに「これを読んだ一人一人が投票に向けて登録することがすごく重要だ」と投稿。コービン党首への支持も併せて表明しており、保守党の重鎮であるマイケル・ゴーブ氏は「(ストームジーは)政治よりもラップに向いている」と皮肉を放った。若者の投票率が上がると、若者からの支持が高い労働党に有利に働くとの見方がある。
総選挙実施に向けた法案は10月29日に下院で可決。有権者登録数は翌30日に約17万7,000人と最初のピークを迎え、うち11万5,400人ほどが35歳未満だった。2度目のピークは11月12日に訪れ、全体で15万8,000人程度が登録。BBC電子版によると、この日はちょうど最大野党・労働党が若者の投票を促す選挙キャンペーンを公式フェイスブック上で行っており、35歳未満は11万人超と大半を占めた。
3度目のピークは22日で、30万8,000人近くが登録。うち3分の2に相当する20万6,000人超が35歳未満だった。この日は、与党・保守党のジョンソン首相、労働党のコービン党首、自由民主党のスウィンソン党首、スコットランド民族党(SNP)のスタージョン党首がBBCの番組に出演し、スタジオに集まった国民からの質問に答えていた。10月24日~11月24日までの1カ月間で見ると、累計新規登録者数は全体で298万人に達している。
有権者登録は26日深夜までだが、代理人投票の登録は12月4日まで可能だ。
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