仏高級ブランド大手LVMHモエヘネシー・ルイヴィトンは25日、米宝飾品大手ティファニーの買収で合意したと発表した。取引額は162億ドルで、LVMHにとって過去最大の買収案件。これにより、宝飾品事業と米国市場での立場を強化する狙い。
LVMHは、ティファニーに対して1株当たり135ドルを全額現金で支払う。フィナンシャル・タイムズによると、LVMHによるティファニー買収の動きが明るみに出る前の営業日終値に37%のプレミアムを上乗せした水準。LVMHはこれに加え、ティファニーの負債3億5,000万ドルも請け負う予定だ。両社の取締役会はいずれも今回の取引を承認。取引はティファニーの株主や関係当局などの承認を経て、2020年半ばに完了する見通し。
LVMHは10月、ティファニーに対して1株当たり120ドルを支払うことを提示。しかしティファニーは、同社の価値を大きく過小評価しているとしてこの案を拒否していた。LVMHはこれを受け、提示額を130ドルに引き上げたことでティファニーの財務情報開示を取り付けていた。
ティファニーは業績が低迷し、電子商取引(eコマース)の拡大や若者向けの比較的安価な商品の投入などを進めるが苦戦している。LVMHの傘下には伊宝飾品ブランドの「ブルガリ」があるが、LVMHは買収後もブルガリとティファニーのブランドを維持するとともに、ティファニーにはブランド刷新のためにさらなる投資が必要と考えているとされる。[M&A]
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