旧東独地域の経済力は、東西ドイツ統一後の30年で旧西独地域に近づいたものの、心理面での格差感は依然として大きい――。ドイツ政府が25日公表した東西ドイツ統一の現状報告書で、こうした実態が明らかになった。旧東独地域の住民の過半数は、自分達を二流の国民と感じているという。
報告書によると、旧東独地域の経済生産は、1990年には旧西独地域の43%に過ぎなかったが、2018年には75%に伸び、今年は約85%まで追いついているという。また、旧東独地域の失業率は2005年の18.7%から、今年8月には6.5%まで低下。2018年通年では6.9%と、旧西独地域の4.8%との格差が2.1ポイントとなり、2000年時点の10ポイント超から大幅に縮まっている。
ただ、旧東独地域では自分達を二流の市民と感じる住民の比率が57%と半数を超えている。また、東西統一が成功したと考える人は全体の38%に過ぎず、旧東独での記憶が子供時代にとどまる40歳以下では、わずか20%だった。
政府のクリスティアン・ヒルテ旧東独地域担当コミッショナーは、東西統一はかなり進んだが、まだ目標は達成されていないとコメントしている。ドイツでは今年11月9日にベルリンの壁崩壊30周年、来年10月3日には東西ドイツ統一30年周年の記念行事が予定されている。[労務]
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