英政府統計局(ONS)は14日、7月の消費者物価指数(CPI、2015年=100)が107.9ポイントとなり、前年同月比2.1%上昇したと発表した。伸びは6月から0.1ポイント加速し、英中銀イングランド銀行の目標値2%をわずかに上回った。
最大の押し上げ要因は娯楽・文化で2.4%上昇。外食・ホテルは3.1%値上がりした。衣料品・履物とその他の製品・サービスはそれぞれ0.4%、1.7%伸びた。アルコール飲料・たばこは3.8%のプラスだった。運輸は1.5%伸びたものの、上昇ペースは6月から減速した。
価格変動の激しいエネルギー・食品・アルコール飲料・たばこを除いたコアインフレ率は1.9%と、こちらも前月から0.1ポイント加速した。
住宅所有者の住宅関連コストを含む物価指標「CPIH」の上昇率は2%。カウンシルタックス(住民税)などを含み、年金や賃金交渉で参考にされる小売物価指数(RPI)は2.8%伸びている。ONSがRPIに代わる新指標として試験的に導入している「RPIX」も2.7%上昇した。
CPIは前月比では横ばい。娯楽・文化は1.1%値上がりし、外食・ホテルは0.8%、運輸は0.4%それぞれ伸びた。一方、衣料品・履物は2.9%低下している。
英中銀イングランド銀行は7月に開いた金融政策委員会(MPC)で、政策金利を0.75%に据え置くことを決めた。金融資産購入による量的緩和策の規模についても、4,350億ポンドで維持している。中銀は併せて公表したインフレ報告書で、インフレ率は第4四半期に過去3年間で最低水準となる1.6%まで減速するとの見通しを示した。その理由として、原油価格の低下や今月から導入されたエネルギー料金の上限設定を挙げている。
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